エビ中+岡崎体育=集大成! 私立恵比寿中学『サドンデス』
2016年11月16日、私立恵比寿中学*1のベストアルバム「『中卒』~エビ中のイケイケベスト~」「『中辛』~エビ中のワクワクベスト~」が2枚同時にリリースされた。
このアルバムは、私立恵比寿中学(以下エビ中)が2012年にメジャーデビューしてから4年間の集大成的作品であると共に、メンバーチェンジ*2以前の楽曲を現在のパート分けで新たにレコーディングするなど、8人体制として生まれ変わった今のエビ中の集大成でもある。
アルバムより、『サドンデス』のミュージックビデオが先日公開された。『サドンデス』は今回のアルバムに収録される楽曲の中で唯一の新曲だ。
これが非常に良かったので、ぜひ皆さんにも見てもらいたい。
前段階として、いくつか情報を。
作詞作曲を岡崎体育が担当。本人のツイートがきっかけ
作詞作曲を担当したのは、岡崎体育。
今年『MUSIC VIDEO』の大ブレイクによって、エビ中と同じレコード会社のSME Records*3からメジャーデビューを果たした彼だ。
ちなみに楽曲提供をした経緯は
ええなぁ吉澤。俺もエビ中に曲提供したいな。俺エビ中と同じレーベルやのにな。同じレーベルやからそのへんのやりとりスムーズにいくと思うねんけどな。 https://t.co/4QPO8e4RG5
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年7月31日
私立恵比寿中学の後輩、岡崎体育。 pic.twitter.com/ij42Ck4KvP
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年8月17日
と岡崎体育がツイートで曲提供を熱望したことがきっかけだそうな。呟いてみるものですね!
ミュージックビデオの監督も岡崎体育が担当
『サドンデス』のミュージックビデオは岡崎体育が監督、脚本、絵コンテ、一部振付を手がけている。
「サドンデス」絵コンテ
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年11月16日
小4レベルの絵心 pic.twitter.com/j3dowC7zfT
絵コンテ、ひどい。
参考資料として芸大卒の寿司くんが作った『MUSIC VIDEO』の絵コンテも。
絵コンテです。
— 寿司くん (@koyammer) 2016年4月19日
僕は芸大に通っていたのでとても絵が上手いです。 pic.twitter.com/hPXXwZDppH
この2人の感性どうなってるんだ。
完成した新曲『サドンデス』のミュージックビデオ
開始1秒で岡崎体育節が炸裂
『MUSIC VIDEO』でも用いられた、打ち込み音で勢いよく曲をスタートさせる手法が今回も炸裂。聴いた瞬間に岡崎体育の作品であることがばっちり分かる。
オカン「あんた『ここぞ』って時に作る曲ドラムから入る癖あるな」
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年11月16日
俺「んなアホな」
MUSIC VIDEO「ドッツクダッツクダダダダパーン」
潮風「ダッドドドッドッドッドッパーン」
サドンデス「ドッドッダッドドダッダッダ」
俺「」
徹底的に「表情」にこだわった映像
岡崎体育は今回のミュージックビデオについてこう語る。
自分一人では表現できない内容を、グループで活動するエビ中に是非やってほしかった曲です。今回はすごく表情にこだわった作品ですが、メンバー自身が考えた表情や動きをしてくれたので、エビ中のカラーがすごく出た作品になったと思います。メンバーの表情に注目して見ていただければ、より面白くなると思います!
表情へのこだわりは、8人の目を映すオープニングから徹底している。
執拗なまでの顔のアップ。シンプルなセットとシンプルなカメラワークで見せる、様々な表情がとても素敵。
りななん、パーフェクトですね。
ぁぃぁぃが真山に微笑みかける表情も抜群です。
動画に込められたエールが泣ける
エビ中メンバー、スタッフの皆さん、MVの製作本当にお疲れ様でした!
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年11月16日
一番のサビで両端の2人に笑顔で元気よく踊ってもらったカットを入れたのは、僕の個人的なエールを含めたメッセージのつもりです。完全に余談すけど。
これからも何らかの形で彼女たち8人に製作で関われたら幸いです!
一番のサビにおける「両端の2人」とは、右が柏木ひなた、左が小林歌穂のことである。
柏木ひなたです|私立恵比寿中学オフィシャルブログ「エビ中交換日記」Powered by Ameba
私立恵比寿中学 - *与えられて選ぶんじゃなくて→たなひー* - Powered by LINE
小林歌穂は今年の8月に「軽度のバセドウ病」であると発表された。
私立恵比寿中学 - 8/28 NO FEAR FESTIVALのお知らせ 2 - Powered by LINE
病気・体調不良に苦しんだ2人へ、岡崎体育からのエール。そして復活した2人から、支えてくれたファンへの感謝の気持ちも込められたカット。全力で歌い踊る笑顔の2人を見て、こみ上げてくるものがありませんか。僕は泣きました。
ライブ映えする「ダンスサドンデス」
アイドルの楽曲は、音源としてのクオリティ以上に、その曲がライブで盛り上がるかどうか、つまり「ライブ映え」が求められる。
ライブでのパフォーマンスも話題になりつつある岡崎体育は、この曲をしっかりライブ仕様に仕上げてきた。
「曲のサビの大事な部分を誰が歌うか」をかけて始まる「ダンスサドンデス」の部分で、メンバーと共に激しい振りを行うファンの姿が目に浮かぶ。ももいろクローバーZの『Chai Maxx』を彷彿とさせる、脂肪燃焼系ライブ曲の誕生だ。
ダンスサドンデスの脱落理由が秀逸
安本「小学生の頃の古傷が痛むため」
中山「ケータリングで食べたエビチリの胃もたれ」
松野「右太ももが痒すぎる」
星名「特に理由は無いけどただ単にしんどい」
小林「足首をひねる」
メンバーのキャラクターが考慮されていて、ファンであれば自然と納得できてしまう。本当にありそうな理由なのだ。
ちなみに松野は動画中ずっと右太ももを掻いている。細かい。
各公演ごとに内容が変化!
再度、岡崎体育の発言を引用する。
さて今回の楽曲「サドンデス」ですが、各公演ごとに楽曲の内容をマイナーチェンジする事ができる画期的なシステムを導入しました。うわー自分で画期的とか言うてもうた、ダサい。個人的には「8段変則型LIVEソング」だと定義しており、たとえば2DAYS公演で「サドンデス」が両日ともセトリに入っていても、DAY1とDAY2で違った内容のものを体感する事ができます。言葉ではなかなか伝わりにくいと思うので、ぜひライブで「サドンデス」を体感してみてください!もちろんCDで聴いても楽しめる作品に仕上げたつもりですので、たくさんの方々に聴いてほしいです!
「8段変速」が意味するのはつまり、8人のエビ中に合わせた、8通り(もしくはそれ以上?)の展開がある、ということだろう。「ダンスサドンデス」では各公演で毎回異なる展開が期待され、推しのサドンデス勝ち抜きを願うファンは本気で踊る。これはぜひとも現場で体感したい光景!
個人的な話もしていいですか?
中山莉子が完全に覚醒、エースの風格すら漂っていて泣ける
出席番号12番、2000年生まれの最年少メンバー中山莉子の成長ぶりが凄い。
どうみても美少女。
今回のミュージックビデオでは大事な箇所をたくさん任されていて、それをすべてパーフェクトにこなしてしまう中山莉子の風格はもはやエース。
とはいえ普段のりったんらしいりったんも見れて、素晴らしいとしか言えない。
「立ち上がれ、私立恵比寿中学~!」
自他ともに認める、まさにエビ中の集大成
廣田はナタリーのインタビューで、『サドンデス』をこう評している。
なんか、この曲がベストアルバムに入ると「集大成っぽいな」と思えるというか。「私たちが今までにやってきたことが、この曲にすべて詰まってるかも」って。最後のメロディラインは歌い上げる感じで今のエビ中らしさが感じられるけど、冒頭はロック調で、途中には劇のようなパートもあって、そういう面白いテイストのものってこれまでにやってきていたし。
曲を作った岡崎体育にもその意識はあったようだ。
エビ中ファミリーの皆さんの「サドンデス」の評判が良いと聞いて嬉しい。
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2016年11月15日
ライブやメイキングの資料映像、過去のアルバムをレーベルから借りてエビ中のことを勉強させてもらって、僕なりにメンバー8人のキャラや個性を引き出した作品に仕上げられたかな。どうかな。
ライブで観るの楽しみ。
前山田健一、たむらぱん、レキシなど、超個性的な作家陣に恵まれ、ジャンルの垣根を超えてまさに「King of 学芸会」なパフォーマンスを見せ続けてきた私立恵比寿中学。
岡崎体育という強烈な個性を迎えて完成した、現時点での集大成を見逃すな。
*1:2009年に結成されたアイドルグループ。略称はエビ中。「永遠に中学生」というコンセプトを掲げる、自称「King of 学芸会」。ももいろクローバーZと同じスターダストプロモーションに所属するため、ももクロの妹分とメディアに紹介されることが多い。
*2:メジャーデビュー時は9人で活動していたが、2014年に瑞季、杏野なつ、鈴木裕乃が卒業。代わって小林歌穂、中山莉子が加入した
*3:私立恵比寿中学はDefSTAR Recordsからデビューしたが、レコード会社自体がSME Recordsに吸収合併されたため、SME所属になっている