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銘々と実損

書かなくていい、そんなこと。

ポップという強烈な共通項。フレンズは期待を裏切らないバンド。

ロックバンドには解散や活動休止、メンバーの脱退がつきものである。メンバーが離散してしまう理由は様々。アーティスト写真からメンバーが1人減る、急に活動休止してしまうなどの出来事は、ファンとして非常に悲しい。

だからこそ、「活動休止したあのバンドのメンバーとあのバンドのメンバーがバンドを組んだ!」というニュースが入ったとき、本当に嬉しい。「また○○さんのベースが聴ける!」「○○と○○の夢のコラボだ!」のようなファンの声がよく聞かれる。

しかし、期待値の高さに反し、以前組んでいたバンド以上のセールスを記録できないことや、ファンの望んだ音楽性とは掛け離れてしまい落胆されることも少なくはない。 

安心してほしい。フレンズは絶対に期待を裏切らないバンドになる。

 

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メンバーは非常に豪華だ。元THEラブ人間*1のベーシストで、昨年はソロとしても作品をリリースしたおかもとえみと、nicoten*2のベーシスト・ひろせひろせがツインボーカルを務める。優秀なベーシスト2人を差し置いて、ベースを担当するのはthe telephones*3の長島涼平。ギターはHOLIDAYS OF SEVENTEEN*4のボーカルだった三浦太郎。The Mirraz*5を腰痛のため脱退した関口塁がドラムを叩く。

主に00年代後半~現在の邦楽ロックシーンを沸かせた彼らだが、元々の音楽性を考えるとジャンルは少しずつ異なっているように思える。THEラブ人間は魂を込めて恋愛の歌を叫ぶようなバンドだ。nicotenは少し切なくて透明感のある楽曲を作る。HOLIDAYS OF SEVENTEENは和製WEEZERの異名を持つ。The MirrazArctic Monkeysの影響が色濃い。そしてthe telephonesは4つ打ちエレクトロダンスロックで日本中を踊らせてきた。

 

一聴すると彼らは全く別々の音楽を鳴らしてきたように思える。だが、彼らは強烈な共通項を持っている。

 

「ポップ」であること。彼らの強烈な共通項であり、最大の武器だ。

昨年頃からシティポップブームが起こりつつある中で、フレンズの楽曲は群を抜いてポップ。言ってしまえばお手本通りのポップミュージックだ。簡単そうに聞こえてレベルは非常に高いのだが、それを全く感じさせない。むしろ余裕すら感じる。様々なポップさを消化してきた5人だからこそ鳴らせる、新たなスタンダード・ポップミュージックが誕生している。

 

つい先日公開された『Love,ya!』も、開始5秒で心を掴まれる極上のポップソング。メンバーがカードゲームをする楽しそうな雰囲気も素晴らしい。

3人目のボーカル、三浦太郎の澄んだ歌声がアクセントになっている。曲を書ける人間や歌える人間がバンド内に多いため、今後ますます音楽的な引き出しは増えそうだ。

 

フレンズは5月に会場&通販限定で1stミニアルバムをリリースする。サウンドクラウドにもクオリティの高い楽曲が並んでいる。一気にメインストリームに躍り出る可能性も高い。

 

 

追記))

「ポップ」を連呼する記事になったが、「何がポップであるのか」という点に言及していないため追記する。個人的に「ポップさ」とは「聴きやすさ」「受け入れやすさ」のことだと思っている。フレンズの楽曲は、上に挙げた要素に反するような「わかりにくさ」が非常に少ない。非常に現代的で共感できる歌詞を心地いいメロディーに乗せて歌っている。

しかし、「わかりにくさ」を排しすぎると、楽曲としては凡庸でつまらないものになってしまいがちだ。そのためのフックとして、要所では耳馴染みの無い表現が用いられている。例として、『Love,ya!』のサビ部分にある「ねぇ あからさま」というフレーズは秀逸に感じた。最後の大サビの「電車の窓越し目が合ったからにはさ」のメロディーの上がり方もたまらない。

星野源が歌詞の表現を平易にしてから売れ出した(1回見比べてほしい)ように、ポップさには少々の犠牲(というかわかりやすさを担保する作業)も伴うのだが、その代わりにサウンドでいくら冒険していても良いメロディーさえあればポップになり得る。フレンズには豊富な経験や技術があるので、音楽性としての難しさに挑むのではなく、ポップさを保ったまま挑戦を続けてほしいと強く願う。

 

 

*1:2009年に下北沢で結成された、恋愛至上主義音楽集団を名乗るバンド。おかもとえみは2009年5月から2013年まで在籍していた

*2:2010年に結成。90年代のJ-POPサウンドをルーツに持ち、「21世紀型でありながら、どこか懐かしさを感じるポップ・ミュージック」を標榜するバンド

*3:埼玉で2005年に活動を開始し、2015年で無期限活動休止に入った、DISCOが大好きすぎる人たち

*4:2004年に福岡で結成され、2015年に解散したパワーポップバンド。爽やかで甘酸っぱく、何よりポップな楽曲が持ち味。略称はHO17

*5:2006年結成。Arctic Monkeysのパクリと絶賛されている。関口氏は2013年に脱退。畠山氏と7歳差の関口氏曰く、「そもそもArctic Monkeysは好きじゃなかった」

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