銘々と実損

書かなくていい、そんなこと。

Balloon at dawnは、あなたの特別になる可能性を秘めたバンド。

 

音楽には様々な聴き方がある。いつも同じ曲を聴いている人もいれば、時間や場所や気分によって様々な曲を選んで聴く人もいるだろう。

僕は後者だ。その時の気分や場所、時刻、タイミング、再生機器など様々な条件で聴く音楽を変えている。音楽の趣味が狭いなりに。

最高に楽しい気分の時は岡崎体育を聴くだろうし、FoZZtoneを聴く瞬間、ふくろうずを聴く瞬間、清竜人25を、Awesome City Clubを、挫・人間を、Yogee New Wavesを、大森靖子を、cymbalsを、だんだん趣味がバレてきた。

個人的な話で恐縮だが、僕は今年で22になる。「下北系*1」とかつて括られたバンド群が流行っていた時にちょうど音楽を聴き始めた。中学生の頃である。
思春期に聴いた音楽はどこか心の中にずっと残っているもので、落ち込んだ時はつばき*2音速ライン*3LOST IN TIME*4ランクヘッド*5を聴いてきた。ゴリゴリの下北系ギターロック信仰で育ってきた。勿論BUMPやRADも通った。洋次郎が神*6の時代もあった、かもしれない。つまり自分は「辛い時、音楽に救いを求める人種」だということ。恥ずかしいけど。

 

長くなったが本題。Balloon at dawnは良い。本当に良いのでおすすめしたい。

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Balloon at dawnは関西出身のバンド。今春よりサポートメンバーを加え新体制で活動中。ドラムレスで活動していた時期が長く、「ドリーミー・ポップバンド」と紹介されることも多い。

しかしこのカテゴライズによって彼らの可能性が狭まってしまわないか、と少し心配しているのだ。
彼らはもっと本質的に、聴き手の心を突いてくる良質な歌を聴かせてくれる。

 

『プールサイド』という曲。構成要素はとてもシンプル。特別な言葉や技術はないかもしれない。例えば放課後、友人と別れて一人で歩く時の空気感をそのまま音楽にしているような感覚がある。

できれば映像から離れて、一度自分の瞼の裏で自分なりの映像を思い浮かべてほしい。

 

『Short hair』はドリーミーな音作りではありながら、聴き流せない感情の破片が鋭利に刺さってくる。国内でも近い雰囲気の曲を作るバンドは多いが、歌を中心に据えているのが彼らの特徴。

 

『Seaside』という曲。系統は『プールサイド』に近いものがある。綺麗な前奏が印象に残り、ボーカルの裏声が体に染み入ってくる。

眠れずに朝が来てしまった日にベッドでこの曲をよく聴いていた。こう言うと誤解を生むかもしれないが、Balloon at dawnはどんな時でも必ず心に響くような、「無敵」な曲を作っているかと言われれば、違う。しかし、聴くべきタイミングで聴けば、どんな音楽にも勝る力を持っていると感じるのだ。理由はうまく言語化出来ないのだけれど、困った時にそっと手を差し伸べてくれる歌がある。

 

他にもSoundcloudYoutubeで多くの楽曲が公開されている。Balloon at dawnはあなたにとって特別な存在になる可能性を秘めたバンドだ。どうかあなたにとって大切な歌が見つかりますように。

 

*1:2000年代に流行した、下北沢のライブハウスを中心に活動していたバンドをまとめてそう呼んだ。UKロック・オルタナに影響を受けていることが多い。代表例はART-SCHOOLsyrup16gBURGER NUDSなど

*2:内省的な歌詞とVo.一色氏の歌声が特徴のスリーピースバンド。2005年メジャーデビュー。

*3:つばきと同じく2005年にメジャーデビュー。切ない楽曲が持ち味。

*4:近年も活躍しているが、個人的には2004年リリースの「きのうのこと」というアルバムが傑作。

*5:2004年メジャーデビュー。2006年リリースの『夏の匂い』がカルビーのCMに抜擢され、当時17歳だった多部未華子が出演している。必見。今すぐ調べるべき。

*6:我が信者達よ出合えー出合えー我が力ここに見せつけたまえ