柴田聡子 / SHIBATA SATOKO | 柴田聡子オフィシャルウエブサイト
ああなんでこんなに素晴らしいんだ柴田聡子!と思わず叫びたくなるようなものすごいアルバムが出ました。その名も「がんばれ!メロディー」もうこのタイトルの時点で最高です。シンガーソングライター柴田聡子さんの5枚目のアルバム、最高です。
このアルバムが好きすぎてたまらない。今はとにかく多くの人に聴いてもらいたい気持ちでいっぱいです。聴きましょう。Apple MusicやSpotifyで最初の2曲だけのつもりでいいので聴いてください。LINE MUSICでもいいです。サブスク入ってない?わかりました。YouTubeでまずこの曲だけでも聴いてください。話はそれからだ!!!!!
アルバムの1曲目、結婚しました
マラカスを振っているのが柴田聡子さんです!!!
良いでしょ!!!!最高のマラカス捌き!!!!マラカスを振らせたら右に出る者はいない!!!!!全日本女子マラカス研究会*1に加入しているに違いない!!!!!サングラスも良い!!!!!映像からひしひしと伝わる多幸感!!!!
新郎になるシーンの抱かれ方!!!すべての幸せを引き受けた抱かれ方!!!
とその後の照れ!!!!!
意外なる足の速さ!!!
ギタレレを机にうまく置けなくて置き直すのもいい…
箱の中身は、ちばてつや!!!!!
極め付けは、真顔傘!!!!!
とまあ、柴田聡子さんサイコー!!!!!*2と叫びたくなりすぎるMVなのです。「結婚しました」というタイトル通りの幸福加減。でも、曲自体はハッピー全開ともいかないところが好きです。
Bメロの精神的なピークとサビの美しさ
柴田聡子のポップソングはサビ前のBメロ部分の精神的な盛り上がりが素晴らしいのです。ここに間違いなく感情としてのピークがあります。この曲で言うならば、
芍薬でしょうか薔薇でしょうか あの日の花火を例えるなら
今好きなこととどれくらい 好きでいられるかなんて話
これをサビ前にさらっと歌ってのける。歌詞の技巧に触れるなら、「なんて話」と結ぶのがたまらなく上手いなあと思います。私はこの人のことを、この生活のことを、いつまでも好きでいられるのだろうか、という不安な気持ちが結婚前後に浮かぶのはわりと普遍的なことですが、深刻に捉えすぎず、そんなこともあるよね、という気持ちで受け流す。でもちょっと不安。続くサビでは、
夢見た 夢のために今日も なにもかもやりすごせそうな気配
曖昧で、でもなんとなくやっていけそうなぼんやりとした気配。絶妙なバランスで成り立っていて、グッと温度が上がったBメロの感情をうまく包んでくれます。
柴田聡子さんの曲はできれば最初は歌詞を見ずに聴くのがおすすめです。意図的なのかはわかりませんが、歌詞が聞き取りやすい箇所と聞き取りにくい箇所があって、聞き取れない部分の歌詞の面白さは後から取っておいたほうがいいと思うのです。え、こんなこと歌ってたの?ということに気付く答え合わせの瞬間もすごく楽しいです。*3
ちなみに、柴田聡子さんは結婚はしていないそうです*4。まだ…間に合うぞ…
前作からの2つの変化
前作までと比べると、大きく分けて2つの変化を感じました。
まずは、柴田聡子inFIRE*5というサポートメンバーを得たことによるバンドアンサンブルの獲得でしょう。固定のバンドメンバーがいることによって、柴田聡子さんもよりバンドアレンジを意識した曲を用意することができたような気がします。それにより以前より聴きどころがわかりやすくなって、全体的に開けた作品になっています。
専門的なことはリアルサウンドやミュージックマガジンあたりが書いてくれると思うのですが、ここで言いたいことは、とにかく聴きやすくなった!ということです。肩の力が良い感じに抜けています。この聴きやすさは、メロディーの良さ、歌の伸びやかさにも起因していると思うのですが、それらを引き出したのは間違いなく柴田聡子inFIREとの制作があったからでしょう。ラミ子さんのコーラスも抜群です。
また、聴き手との距離感が近くなったのも今作のポイントです。柴田聡子さんの歌詞はわりと「これはどういうことを歌っているのだろう」「設定どうなってるんだろう」と考えさせられる不思議な魅力があったのですが、今作は二人称を多用したり、より身近な生活のことを歌ったりすることで、より彼女の持っている言葉の良さを生かすことに成功していると思います。
たとえば2曲目の「ラッキーカラー」は、本当に柴田聡子の曲だろうか?と思うくらいにまっすぐで驚きましたが、王道のポップソングとしての要点を抑えながら、柴田聡子さん本来の良さも生きていて、アルバムで一番好きな曲です。
これらを踏まえるとおそらく、前作「愛の休日」のリード曲だった「後悔」の完成度が高かったことがかなり影響しているのかなと思います。この曲は、先に挙げた2つの要素を持っている楽曲です。バンドサウンドで、ポップで、二人称がいて、コーラスが良くて。もっとこういう曲を作っていこう!というポジティブな意欲を持って作られたのが今作でしょう。
どこを抜き出してもそれぞれの良さがある
その一方で、「いい人」「ジョイフル・コメリ・ホーマック」といった弾き語り中心の曲こそ、このアルバムの真髄なのでは、と思うくらいに、存在が際立っています。個人的には「いい人」「すこやかさ」「心の中の猫」の流れが本当に好きです。と思ったらその次に「ワンコロメーター」というとってもコミカルな歌があったりするのがまた良い。
ちょうどいい曲順で、ちょうどいい温度の曲があることで、曲単体ではなくアルバム全体で繰り返しの再生に飽きない。し、全部聴くのではなくて、今日の気分はこれ!こことここ!みたいに、抜き出して聴くのもいいなあと思えます。どう聴いても良いんだよなあ。
なんというか、何を褒めても何を言っても嘘になるような、最高!!!のアルバムで、語彙力を失ってしまうのですが、まあ、あとは聴いてくれ!合わなかったらすまんな!という気持ちです。自分にはどんぴしゃだったので、柴田聡子さんや制作に関わった人たちに本当に感謝したい。このアルバムが好き!と言っている人たち全員とハグしたい!そういう気分です。
圧倒的な歌の良さ!!!!!!!顔の良さ!!!!!
インタビュー
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