銘々と実損

書かなくていい、そんなこと。

秘密にできない名曲、ロースケイ『秘密にしよう feat.ハナウタ』

 

 

今月の頭にリリースされた曲を、もう何十回も聴いている。

 

その曲のタイトルは、『秘密にしよう』

soundcloud.com

 

言語化するまでもなく、「良い!!!!」と感じてしまう素晴らしい曲なのだけれど、どうして好きなのかを簡単に説明する。

 

甘さと本気の絶妙なバランス

出だしから、いきなり良い。

秘密にしよう この恋を
いま手を繋いでることも
二人だけの合図や冗談も
そっと定義した愛も
秘密にしよう

(歌詞はこちらから→ロースケイ / Rosskeyy's Lyrics

 

「恋」「手を繋ぐ」「合図」「冗談」が並べられたあとに、「そっと定義した愛」が来るのがとても好きだ。

まさに恋の始まりのような、胸の高鳴りを感じさせる要素が散りばめられる中でふっと現れる「愛」に感じる「誠実さ」。バランスが絶妙だと思う。

 

「秘密にしよう」って言われたい

「秘密にしよう」という言葉が持つ響きの美しさが最大限に引き出されている。

「好き」「愛してる」などの直接的なフレーズを使わない代わりに、数々のイメージによって恋愛模様が紡がれるのだけれど、そのどれもが理想的。

さあ 手を取って
新しい日々にダイブしよう
パラシュートは丈夫なつくりさ
手を離さないでいて

「手を離さないで」という言葉はつまり「ずっと一緒にいてほしい」という気持ちであろう。これを伝えるラブソングは幾つもあるけれど、自身をパラシュートに喩えて、一緒に新しい日々に飛び込もう、つくりは丈夫だから安心してつかんでいて(ずっと一緒にいよう)と歌う眩しさと心強さよ。

 

聴き手を彼女にさせる声

けだるく甘いボーカルは曲の雰囲気にぴったり。クセが少しある歌声なので、もしかしたら好き嫌いがあるかもしれない。

しかしこの声のおかげで、「彼氏の姿」がはっきりと浮かび上がる。この恋を秘密にしよう、と言っている「彼氏」が、目の前に見えるのだ。聴き手は一気に「彼女」になる。

ウィットに富んだ言い回しと甘い声、そして誠実さ。

こんな男に「秘密にしよう」と言われたら、黙って頷く他に無い。最高。

 

踊りたくなる心地良いサウンド

ここまでは歌詞や声に注目してきたけれど、音も本当に良い。

打ち込みのリズムのパターン自体はシンプルに聞こえて耳馴染みが良く、細かく聞こえるクラップとギターの音が抜群のアクセントになっている。

Cメロの代わりと言ってもいい大サビ前のギターソロ、そしてドリーミーなシンセが入って来る展開が超ドラマチックで、ある意味ではここが曲のクライマックスになっている。聴きどころ。 

転調と同時に華やかになる最後のサビはもう幸せの一言に尽きる。身体が揺らされているのがわかる。

こんな上質なポップソングはなかなか無い。

 

文字通り、秘密にしたい曲

この曲を作ったのは、ロースケイさん。「自称音楽プロデューサー」だという。つまりアマチュア。

 歌っているのは、ハナウタさんという方で、こちらもプロの方ではない。

プロではない2人によってつくられた曲とは思えないクオリティの高さ。

自主制作であるこの曲はTwitterでじわじわと拡散されていて、多くの人に聴いてもらいたいという気持ちと、この良さを少数の人たちで共有していたいという気持ちの間で揺れる。「秘密にしたい曲」なのだ。

 

 

ついにiTunes Storeでも販売開始。だんだん秘密にできなくなってきましたよ。

 

 

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