銘々と実損

書かなくていい、そんなこと。

このミュージックビデオを見てくれ!BEST MUSIC VIDEO 2016(1位-10位)

2016年聴いた音楽のまとめ、第2弾はYoutube編です。

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2016 MUSIC VIDEO BEST 1-10

2016年は特徴的なMVや新たな仕掛けのあるMVがたくさん生まれました。特に顕著だったのは「縦画面型MV」で、lyrical schoolやnever young beach、大森靖子が発表していました。他にも、画面を360度見渡せるMVが公開されたのが面白かったです。4月に発表された岡崎体育の「MUSIC VIDEO」の影響で、「MVのあるある」を避ける動きが見られたため、演出面でも変化があったように思います。それでは、僕が選んだ2016年のミュージックビデオランキング、ついに完結です!

ルール

・2016年にYoutube上で公開されたミュージックビデオ(以下MV)が対象。(音源のリリース日は問わない)

 

1.欅坂46サイレントマジョリティー」

2016年3月15日公開
監督:池田一真

アイドルと渋谷、「瞬間」を切り取った鮮烈なるデビュー作

乃木坂46に次ぐ「坂道シリーズ」第2弾、欅坂46のデビューシングルです。まだまだ未熟なダンススキルをカバーする、ダイナミックな振付が印象的。センターを務める平手友梨奈さんの存在感が凄まじい。まだまだ未完成で発展途上な欅坂46を、再開発中の渋谷で撮影することによって、二度と戻らない「瞬間」を切り取ることに成功しています。最初のメンバー全員をひとりひとり映すカットもその一部。アイドルグループには物語が必要だとよく言われますが、強力なメッセージを持った作品で世に放たれた欅坂46は明らかに王道を走り抜けるストーリーを手にしていると言えます。

大所帯アイドルグループのデビュー作で「この世界は群れていても始まらない」「大人たちに支配されるな」と歌わせる秋元康の才能が炸裂しているのはもちろん、数多くのアイドルのデビューを経験して洗練された運営側の采配が見事に決まっていて、衣装の制服も、ダンスも、メディア露出も、面白いように成功しています(ハロウィン衣装の件などの失策はあるにせよ)。2nd、3rdシングルも見事にスマッシュヒットし、紅白歌合戦出場まで果たした彼女たちに敵はほとんど見当たりません。


2.岡崎体育「MUSIC VIDEO」

2016年4月19日公開
監督:寿司くん

ミュージックビデオへの愛に溢れた岡崎体育の出世作

2016年最もブレイクしたアーティストの1人、岡崎体育の「あるあるMV」。現時点で1600万回再生を記録する大ヒットぶりです。このMV、熊本地震の発生で公開が数日延期になっていたのですが、そういうところにも気を配れる岡崎体育さんはさすが。

その後、各種バラエティ番組への出演を果たすもののなぜか歌唱せず、JINROとのタイアップソングを発表、夏フェスでも完全に主役になったあとで、秋にMステ出演でやっと歌い、アニメのタイアップ、ポケモンとのタイアップ、私立恵比寿中学への楽曲提供など、うまーく話題を引き延ばし続け、一発屋という印象を全く抱かせないメディア戦略を見せました。2017年も引き続き岡崎体育の年であってほしいです。


3.Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) 「助演男優賞

2016年12月30日公開
監督:N2B(中嶋駿介+永田しゅん+山本広司)

2016年完全網羅型、中毒性抜群

テレビ朝日で放映されている「フリースタイルダンジョン」に端を発したヒップホップ・ブームは2016年さらに加速。ダンジョン出演者の音源も注目される中、圧倒的な強さを誇るモンスター・R-指定は完全に主演男優賞級の活躍を見せました。そんな彼が所属するCreepy Nutsが2016年の最後にリリースしたMVがあまりにも凄かったです。あらゆる2016年の出来事を風刺しきる、彼らにしか出来ない作品に。「テーコ喜多川」「シンゴジラ風テロップ」「助男ダンス」「Suchmos風ロゴ」「三代目J Soul Brothersっぽい風貌」「世界的スターのジャスティン氏がSNSで拡散」「薬物所持」「不倫会見」などなど止まらない風刺があまりにもハイクオリティ。Creepy Nutsはヒップホップの中ではポップでかなり聴きやすいので、そろそろお茶の間にも届くくらい売れる気がしています。


4.MOROHA「バラ色の日々」

2016年4月13日公開
監督:エリザベス宮地

圧倒的にリアルで、どこまでも美しい

映像作家・エリザベス宮地が、元恋人である写真家・高木美佑と交際した2年間に撮り溜めた写真や映像を繋ぎ合わせた作品。

今年、「誰かと彼女になったような演出」のMVが多かったのは明らかにこの作品の影響でありますが、映像作家が人生を懸けて作ったこのMVを絶対的に支持したいです。


5.あヴぁんだんど 「ヴぁんでぃっつ!!!」

2016年8月29日公開
監督:森岡千織

見捨てられた無法者アイドルの強烈な反撃

あヴぁんだんどは「見捨てられたアイドル」をキャッチコピーとして活動するアイドルグループです。デビューの経緯はなかなかに複雑で、別のアイドルグループのオーディションから漏れたメンバーで結成されたものの、当初はほとんど活動がありませんでした。

あヴぁんだんど、初ミニ・アルバムを配信スタート&インタヴュー掲載 - OTOTOY

その後、体制を整えて2015年にはミニアルバムをリリースしますが、2016年4月までにオリジナルメンバー6人のうち4人が脱退。さらにプロダクション移籍によって旧運営から離れることが決定。セルフプロデュースを余儀なくされ、ますます「見捨てられた」彼女達の反撃の一手こそが、この曲です。

新体制となったあヴぁんだんどの反撃。新メンバー・小鳥こたおが可愛すぎるし、オリジナルメンバーの宇佐蔵べにと小日向夏季もキラキラしていて最高。僕の大好きな森岡千織さんがMV監督を務めているのですが、本当に良い意味でごちゃっとしてます。

作詞作曲を務めた、つるうちはなさんのブログも熱い。これは推せます。一生推せるアイドル。

【楽曲提供】あヴぁんだんど「ヴぁんでぃっつ!!!/オンナノコヤマイ」 | つるうちはな Official Web Site

と、思っていたのですが、昨年12月に小日向夏季が突然の脱退を発表。それでも残った2人ならやってくれるはず。ますます応援したくなるアイドルです。


6.lyrical school「RUN and RUN」

2016年4月5日公開
監督:隈本遼平

多幸感のあるiPhone乗っ取り体験

ご存知「iPhone乗っ取り型MV」。革新的。クリエイティブ。どうすごいのかは色んな人が解説してくれてます。

デバイスがコンテンツを決定する lyrical school「RUN and RUN」の衝撃(宗像明将) - 個人 - Yahoo!ニュース

lyrical school「RUN and RUN」の縦型MVは何が革新的だったのか - 日々の音色とことば

そして監督のインタビューはこちら。

スマホがジャックされた感覚に!lyrical school 縦型MV 監督に聞く撮影秘話|SENSORS(センサーズ)|Technology×Entertainment

カンヌ広告祭でも銅賞を受賞。スマホ向けのミュージックビデオのうち、こういう「ジャック型」の映像についてはこの作品で全てやりつくした感があります。極めて2016年的な作品。


7.DJ RYOW「ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX feat.般若, 漢 a.k.a. GAMI & R-指定」

2016年4月7日公開
監督:不明

時代世代も軽く超え「再生」される音楽

最近のブームに影響されてヒップホップを聴き始めたミーハーな僕ですが、背景を知らない人間が聴いても、この曲がカッコいいこととDJ RYOWが悪い奴だということがわかります。
背景を知れば尚のことカッコよさが解ります。このブログ記事がパーフェクトだったのでぜひご覧ください!

【事件!】 般若と漢とR-指定がTOKONA-X(イルマリアッチ)のビートで曲やってるよ!! - BACKFLOW (バックフロウ)


8.HINTO 「なつかしい人」

2016年9月20日公開
監督:岡田文章

映像と演奏の余白に僕らは何を思うべきか

「なつかしい人」というフレーズが持つ魅力を最大限に引き出した映像作品だと思います。本当に素敵。人によって感想が変わりそうな作品なので、コメントもこのくらいに。


9.Galileo Galilei 「ウェンズデイ」

2016年1月21日公開
監督:Charlie Gillette and Oliver David

活動終了を宣言したGalileo Galileiの最後のMV作品

映画のようです。この曲が収録したアルバム『Sea and the Darkness』があまりにも良かったので感動しました。メンバーは既に再出発に向けて動き出しています。

最後のMVであるのに、メンバーは一切出演せず、演奏シーンもありません。さすがにこれは極端な例ですが、映像の作品性を重視したMVを他のアーティストはもっと作るべきではないでしょうか。より新しいアイデアや演出が生まれるような気がします。


10.RADWIMPS「光」

 2016年11月17日公開
監督:山戸結希

おかえり、10代のRADWIMPS

「こんなのRADWIMPSらしくない」というコメントで埋め尽くされるYoutubeTwitter
違うんだ。ただ戻っただけなのだ。10代の頃の野田洋次郎の圧倒的な眩しさに。
『俺色スカイ』を思わせるギターフレーズ。『トレモロ』や『閉じた光』のような、感情の乗ったポップなサビ。
確かに『アルトコロニーの定理』以降に見せた、複雑な演奏や難解な歌詞は見られない。
しかし、RADWIMPSの良さは果たしてそれだけだろうか。
『RADWIMPS2』や『RADWIMPS3』のような若さと爽やかさ。しかし演奏力は格段に向上している。ほとんど同じフレーズを弾いているだけなのにやけにドラマチックだ。
 『溺れるナイフ』を手掛けた山戸結希によるMVは、白黒なのにとても眩しい。玉城ティナと堀越千史による、圧倒的に美しく儚い映像美。
進化したRADWIMPSがここに。最高傑作と言っていい。