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銘々と実損

書かなくていい、そんなこと。

ナニコレ!新感覚不条理テルミンポップユニット、ザ・プーチンズ

音楽 紹介記事

細かい説明は後だ。まずはこのMVを見て欲しい。

ザ・プーチンズで「ナニコレ」という曲。

ハチマキにタンクトップの、松岡修造を想起させる暑苦しい男が運動しながら変な曲を歌っている。最初の1分だけを聴くと、そのような感想になるだろう。

ヌンチャクを振る奇妙な男の名は、街角マチオ。無駄に良い声をしている。

「キモチイイー!」と歌う、やけに耳残りのする曲の半分が経過しても、MVの全容は掴めない。

もしこのような暑苦しいキャラの男が苦手なら、もしくはおちゃらけた雰囲気が耐えられなければ、ここで再生をストップしてしまうかもしれない。

しかし、2分過ぎて曲のサビに入ると、どうやらそれだけではない、マチオのシリアスな一面が垣間見える。

ああ 君のために 歌いたくない歌 歌うよ 

なんとこの曲を彼は「歌いたくない」というのだ。

では、どうして歌うのか。彼の告白は続く。

でもね 見てごらん? 恥を 恥を捨てることで

人は 人は楽になれるのさ

奇抜な格好でポジティブなメッセージとユニークなダンスを踊り続けるマチオ。

誰からどう見られてるかなんて気にするな 

 そう歌いながら、渋谷のセンター街で踊り続ける。そして極め付けが「スクランブル交差点」でのヌンチャク振りである。

こうやって見てみると、曲序盤の「キモチイイー!」と後半での「キモチイイー!」は、全く異なったものに聴こえてくる。

前半は自分の快楽の為にただただ踊る不愉快な男に思えたかもしれない。しかし、先ほどの告白があったことで、人を勇気付けることに徹するマチオの健気さとパワーにむしろ感動すら覚えるシーンに変わっているではないか!

人がたくさんいるスクランブル交差点で、「君のために」踊り続けるマチオ。恥やネガティブを突き抜けた、最強のメッセージソング。

この曲を聴いていると、自然と元気が湧いてくる。

 

「ロシア系怪電波ユニット」を名乗るザ・プーチンズ。今非常にお薦めしたいユニットだ。

彼らの大きな特徴を3つ挙げる。

皆さんは「テルミン」という楽器をご存知だろうか。1900年代のロシアで誕生したこの楽器の最大の特徴は、「手で触れずに演奏をする」ことである。空間中の手の位置によって音高と音量を調節し、独特の音色を奏でることができる。しかし、演奏には熟練した技術が必要になることもあり、あまりJ-POPでは用いられない。

そんなテルミンをフィーチャーしているのがザ・プーチンズである。実際にテルミンが非常に生きているのが『すしてるみん』という曲。

女性のコーラスのような印象的な高音が繰り返されるこの曲。MVの雰囲気も相まって不思議な世界観を演出している。なかなか他のアーティストでは代替できない音作りこそが、ザ・プーチンズにハマる人を少しずつ増やす要因になっている。

  • ボーカルを務めるマチオの個性

『ナニコレ』というMVでもわかる通り、街角マチオの個性はずば抜けている。ちなみに、公式プロフィールではボーカルでは無く「フリースタイルボサノヴァ奏者」と紹介されている。

長身で手足が長く、低音ボイスも非常に味があるが、何より彼の表情が良い。

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どのタイミングでスクリーンショットを撮っても面白いのだからこれは才能と言って然るべきなのである。

 

  • 可笑しさの中に謎の感動が加わる新感覚の楽曲

リズム感を重視した歌詞はクスリと笑ってしまうが、注目すべき場所はそこだけではない。全体的な曲の完成度が非常に高い。

『恋愛契約書』という曲では、恋愛ソングにおける「君」と「僕」を「甲」と「乙」に置き換え、シュールな雰囲気を醸し出しつつ、クライマックスに向けて一気に現実味を帯びて迫る流れが秀逸だ。

 

そんなザ・プーチンズは9月19日に「2016全日本テルミンフェス」を主催する。ますます勢いを増していく彼らの音楽を、ぜひお気に入りに加えてほしい。絶対元気出るから。

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